Furutaka memo

雑多なことを勝手気ままに綴ってます。

EGR(排気再循環)について

1,EGRとは

EGR(排気再循環)は燃焼室から排出した排気ガスの一部を、再度燃焼室内に戻す技術である。これにより、燃焼室内の酸素濃度を低下させ、燃焼温度のピーク値を抑制することでNOxの生成が低減される。以下にEGRに関連する処理を述べる。

2,排ガスの洗浄

排ガスは硫黄酸化物(以降SOx)や固形物(粒子等)を含んでいる。

SOxは空気中の水分と混合することで硫酸となるため、燃焼室を腐食させる。

また、固形物は吸排気弁とシリンダーヘッドの間に噛み込み、圧縮不良などにつながる。

そのため、排ガスを清水で洗浄し、SOxや固形物の除去が必要である。

排ガスの洗浄後の水(以降、洗浄水とよぶ)は固形物を含み、SOxにより酸性となる。

3,洗浄水の処理

船上において水は貴重であるため、再利用できるよう処理する必要がある。洗浄水の固形物は清浄機、フィルター等を用いて取除き、酸性の液体は薬剤を用いて中和を行う。中和に用いる薬剤には水酸化ナトリウムを用いる。

排ガスに清水を噴射すると、排ガス中に含まれるSOxは、水と反応し硫酸 H2SO4となる。硫酸は水酸化ナトリウムと反応すると、硫酸ナトリウムと水が生成される。反応式は以下のようになる。

H2SO4+2NaOH →Na2SO4+2H2O

生成された硫酸ナトリウムの水溶液は、強酸である硫酸と強塩基の水酸化ナトリウムから生じた塩の水溶液であるため、中性を示す。

4,まとめ

・EGRは排ガスを再循環させ、NOxの発生を低減させる技術。

・排ガスを再循環させる前に、清水で洗浄する。

・洗浄水に含まれる固形物は清浄機で除去、液体は水酸化ナトリウムで中和。