Furutaka memo

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排ガス処理装置(SCR、SOxスクラバー)について

1,排ガス処理装置

環境保護を目的として排気ガスの排出規制が強化されている。これに伴い排気ガスに含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物を削減するための船舶が増えてきている。この記事では

排ガス処理装置としてSCRとSOxスクラバーについて紹介する。

2,SCR

窒素酸化物NOxの処理装置として、SCR(Selective Catalytic Reduction)がある。SCRは、ガス中に尿素水を噴射し、排気ガスの熱でアンモニアを生成し、触媒上でNOxと反応させ、水と窒素に還元することでNOxの排出量を低減する技術である。

SCRの排ガス処理工程を以下に示す。

  1. 排ガスが触媒のあるスクラバーに流れる。
  2. 排ガス中に尿素水が噴射され、熱分解によりアンモニアが生成される。
  3. 排ガスとアンモニアが混合され、触媒上でNOxが窒素と水に還元される。

排ガス中で噴射される尿素水について説明する。

尿素水は劇物には指定されておらず、アンモニア水に比べ取り扱いが容易である。

自動車ではAdBlueと呼ばれるSCR専用高品位尿素水が用いられるが、尿素濃度は32.5%と低く、高価であるため船舶での使用に適さない。

船舶では工業用に製造された尿素濃度40%以上のものが用いられる。尿素の溶解度は0度で40%であるため、40%以上を使用する場合、尿素タンクに保温設備が必要となる。

3,SOxスクラバー

硫黄酸化物SOxの処理装置として、SOxスクラバーがある。SOxスクラバーは、排気ガスを海水などの洗浄水で洗浄し排気ガス中の硫黄分を削減する。洗浄後の海水を浄化装置でスラッジと分離して排水するオープンシステムと、排水の水質が規制されている地域などで、洗浄水を循環させるクローズシステムがある。